心臓外科インド留学日記

卒後沖縄の市中病院で研修し、3年間大学病院の心臓外科に所属していました。2017年3月よりインドのバンガロールにある病院で心臓外科フェローとしてトレーニングを始めました。

LIMAとRIMA

日本では内胸動脈のことを左はリタ、右はライタということがほとんどだと思いますが、こちらではmammary arteryの意味でそれぞれLIMA、RIMAといいます。

書くのにはなんの支障もないのですが、実際に会話の中で出てくるとかなり厄介です。

LとRを聞き分けることが出来ず、どちらも同じようにリマとしか聞こえないため基本的にどっちのことを話しているのかわかりません。

最近積極的に両側内胸を使うようにしているのですが、その分会話に出てくることが増えかなり困っています。

一般的に言われていることですがやはりRとL、BとVの使い分けは難しいです…

近況

かなりの間更新が滞ってしまいました。


もともと2年間の予定で留学するつもりでしたが半年延長して2年半こちらにいることになりました。

今が2年3ヶ月で残すは3ヶ月となりましたが、日本に帰ったあとまた病院泊まり込みの生活についていけるのか若干不安です…


最近はCABGばかりに手洗いし、内胸動脈採取、中枢吻合、たまに末梢吻合といった感じの生活を送っています。


残り3ヶ月のみですができるだけインドの医療や日本との違いをまた共有できたらなぁと思います。

カースト

インドといえばカースト制度を思い出す人が多いと思います。


実際にインドで生活してみてカーストによる差別を感じたことはほとんどありませんが、色々と話を聞いてみるといまだにカーストの影響が根強く残っているなという印象を受けます。


皆自分がどのカーストに属していたのかは知っていますし、名前を聞くだけでこのカーストと判断できることが多いようです。


結婚に関してもお互いのカーストを考えた上で両親が結婚相手を探すのが普通で、自分で相手を探すというのはあまり一般的でないようです。ちなみに両親に逆らって自分で相手を探す場合は両親と縁を切るということも稀ではないみたいです…


ただ10億人を越える人口がいるインドでカーストがなくなってしまうと競争が激化してしまい社会的な秩序が保たれなくなるという見方もあるようです。


日本にいたときはカーストは差別であり悪であるという印象でしたが現実を考えると必ずしもそうとは言えない難しい問題だなと感じます。




Posting

インドの年度始めは5月であり、今の時期になると、

Where is your posting?

という、来月からどこをローテーションするかという質問が飛び交います。


それぞれのコンサルタントによってどのような手術に入れるのか、手技が出来るのかが異なってくるので皆真剣です。

6年のコース終了後にはどの分野もある程度の手技は身につくので、外目からみると「どこでもいいのに…」と思ってしまうのですが、やはり同学年の中では一番早く手技がしたいという思いがあるようです。


私は来月からCABGを専門に行うコンサルタントの下でトレーニングを行うことになり、内胸動脈採取と中枢吻合をひたすら練習する予定です。

言葉の問題

こちらの病院ではインド全体から患者が集まるため大きなコミュニケーションの問題があります。


ほとんどの看護師はこの辺りの地域で使われているカンナダ語を話しますが、ほとんどの患者はヒンディー語あるいはベングラ語を話します。


お互いの言葉が理解できないので、看護師と患者のコミュニケーションが全くと言っていいほどとれていません。

患者がなにか症状を訴えていてもそれがわからないので放置されています。


インド特有の問題かもしれませんが、改めて日本での快適さを実感します。

日本

先日日本での用事があったため1週間程帰国していました。

 

久しぶりに以前勤務していた病院の手術を見学させていただきましたが、今までとは違った立場での見学だったので非常に新鮮で、色々と感じるところがありました。

 

やはり執刀医の手術の質はインドに比べて非常に高いなぁと改めて実感しましたが、手術のアシストという点では経験が少ないためかインド人の方が手が動いてる印象を受けました。

 

あと1年でインド留学が終わりますが、そのあと日本でトレーニングを積むのか、他の国に留学して経験を積むのか、非常に難しいところです。

1年終了

インドに来てから1年が経ちました。

生活の部分では大変なことの方が多かったですが、トレーニングの面だけでいうとかなり充実した1年だったかなあと感じます。

 

ようやく弁置換の執刀もまわってくるようになりましたが、改めて考えると、この病院で5年間働いているレジデントが初めて執刀させてもらえる症例を、英語もろくに話せない来て1年の日本人が執刀させてもらえるということは本当に恵まれていると思います。

そしてそれを自分のことのように祝福してくれる同僚に本当に感謝です。

 

あと1年...

感謝の気持ちを忘れずとにかく頑張ろうと思います。