心臓外科インド留学日記

卒後沖縄の市中病院で研修し、3年間大学病院の心臓外科に所属していました。2017年3月よりインドのバンガロールにある病院で心臓外科フェローとしてトレーニングを始めました。

2017-04-01から1ヶ月間の記事一覧

2ヶ月間の経験症例数

インドに来てから2ヶ月が経ちました。 インドに来る前はどうなることかと不安でいっぱいでしたが、来てみると2ヶ月はあっという間で、2年なんてすぐに終わってしまうと焦って、そちらの方が不安になっています。 2ヶ月間で経験した症例は以下の通りです。 CA…

看護師とPhysician Assistant

私のいる病院では日本に比べ看護師が許可されている仕事が圧倒的に多いです。 CVやA-lineの抜去はもちろんのこと、ICUではCVの挿入を許可されている看護師もいます。 また私の病院にはPhysician Assistantがいます。手術室ではSVGをとったり、SVGをとった後…

Off-pump CABGのスペシャリスト

先週はOPCABが得意なRameshというConsultantの手術に参加し、一週間まるまるOPCAB漬けの生活でした。 手術室は2部屋を使い、それぞれの部屋で2人でバイパスグラフトを採取し、末梢吻合のところだけConsultantが来て、1日4件の手術をこなします(グラフトを採…

インドの手術器具

私がいる病院は貧困層向けの病院のためか手術器具の多くを再利用し経費を削減して患者負担を少なくしています。 送血管や脱血管のcannula、CABGの時に使うOctopus Stabilizerはもちろん再利用。 人工血管も清潔に取り出すようにして必要な分だけを切り取り、…

肺動脈血栓内膜摘除術(Pulmonary Thromboendarterectomy)

先日CTEPH患者に対するPTEの症例が非常に多いと書きましたが、重症患者の術後管理はかなり大変です。 中枢性のCTEPHで全て取り切れた症例ではPAも100mmHg程度あったものが30mmHg程に低下し、自覚症状も劇的に改善します。 ただ術後に末梢に病変が残っている…

患者背景

日本では60歳代の患者がいると若いなあと感じていましたが、インドでは60歳を越える患者はほとんどいません。 私がいる病院が貧困層向けの患者層をターゲットにしている病院だからかもしれませんが、ほとんどが30−50歳代であり、中には20歳代の患者も混じっ…

若手心臓外科医

私がいる病院では若手にやらせる手技の量としてはかなり多い方だと思います。 私の面倒をよく見てくれている非常に優秀な31歳の外科医がいるのですが、すでに1000本近くの内胸動脈採取、1000回近くの中枢吻合を経験しており、単純な弁膜症や先天性疾患、On-p…